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International Arts Festival 香港公演 (2004年07-08月)

2004年7月28日〜8月2日

於:香港文化中心劇場のStudio Theater(客席数約300)


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ストリングラフィ アンサンブルは、7月3日、31日、8月1日の3日間、香港文化中心劇場のStudio Theaterで行なわれたInternational Arts Festivalに参加し5公演、1ワークショップを行なった。2年前に参加した東京芸術見本市にフェスティバル関係者が見に来ていたことがきっかけとなり参加が決まった企画だ。当初2003年に招待されることになっていたのが、SARSの流行で今年に繰り延べになったという事情がある。

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ファミリー向けのフェスティバルだということで、親しみやすいスタンダード曲を並べた第一部と、オリジナル曲で構成される第2部、最後に香港のポップスを演奏するというプログラムミングで臨んだ。

<プログラム>
「一部」春、大きな古時計、世界に一つだけの花、もののけ姫、上を向いて歩こう、アイネクライネナハトムジーク、佐渡おけさ
「二部」森の記憶(オリジナル)、Fading Autumn(オリジナル)、パレード(オリジナル)
「三部」香港のポップス(Shall we talk, Mom I love you)、美しく青きドナウ、カノン

香港中心劇場は、Kowloonの中心にある設備の整った劇場だ。今回ストリングラフィ コンサートの会場となったのはスタジオ シアターという客席数300程の小劇場。
真ん中にステージを取り、前後に雛壇式の客席を配置した。ステージ内はもとより、客席頭上にも捩れを入れた放射状のストリングラフィをセットし、ライティングの効果も相まって、劇場内は幻想的な雰囲気に包まれた。集まった観客が開演前にセットの写真撮影に夢中になり、開演が遅れる一幕も。こんなシーンは日本では考えられないことで、お国柄を感じさせるエピソードだ。

7月30日夜、初日を迎える。香港公演は初めてということで特別な緊張感がある。しかし一曲弾き終わる毎に観客のテンションは高まり、拍手をしたり、笑ったり、演奏中に手拍子で参加したりと、反応のよさは驚くほどだ。観客のノリがよいと、パフォーマーもリラックスしてノッてくるものだ。後半はオリジナル曲ということで、特に子どもたちの集中力に不安があったが、実際に公演を終えてみると“Fading Autumn“という、香港公演(ファミリー向け)を意識して創った新しい曲が好評で、この点は大変嬉しく思った。スタンダード曲の中では特に”佐渡おけさ“が人気だった。5人のフルメンバーが、演奏しながら、盆踊り風ダンス・太鼓のリズムなどバラエティに富んだ表現を見せるところはストリングラフィの醍醐味だろう。

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7月31日、2日目は午前中に小学生30人を対象としたワークショップ、午後にマチネ公演、夜にはソワレ公演とやや詰め込みすぎのスケジュールだった。ワークショップ参加者は素晴らしかった。理解力は高いし、デモンストレーションや説明を聞くところと、積極的に参加するところのメリハリがきいていて、教える側の私たちも楽しかった。楽器制作では子どもたちの手先の器用さに感心した。結果的にこの日のソワレ公演が全てのファクターのかみ合った一番よいステージになったと思う。まったく同じ曲を演奏しているのに、5つのステージすべてが違った雰囲気になるのは不思議なくらいだ。演奏者5人のコンディションとテンション、照明・音響のタイミング、それから観客の雰囲気などいろいろな要素が化合した結果なのだが、舞台は生ものだと改めて思う。

8月1日あっという間に最終日がやってきた。マチネ、ソワレの2公演で、最後の公演はやはりテンションが上がった。5公演とも満員の観客に恵まれ、しかも想像以上の熱い拍手をいただき、メンバー一同香港が大好きになって帰国の途に着いた。

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