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 水嶋一江は桐朋学園大学作曲科でクラシック音楽の作曲法を学んだ後、カリフォルニア大学作曲科修士課程で現代音楽を研究した作曲家です。1992年にプ ロデューサー、八重樫みどり等と共にスタジオ・イヴ(東京)を結成し、1996年以降“ストリングラフィ アンサンブル”による作曲・演奏活動を続けてい ます。


 1992年の春、山形県月山の麓で行われたパフォーマンス・フェスティバルに参加した水嶋は、森の中で木と木の間に糸を張り、森全体を楽器にして演奏し てみたいとひらめいたのです。糸電話の原理を応用し、糸の両端に紙コップを取り付けたところ、糸を擦るとコップがスピーカーの役割を果たして思いがけない 程大きな音を発しました。その音は、ヴァイオリンの音、人の声や動物の鳴き声、風の音の様でもあり、自然界の音と楽器の音の、両方の特質を表現できる奥の 深い楽器だという事に気付きました。


 以来、水嶋はこの絹糸から生まれる音に魅せられ、糸の張り方、チューニング、演奏方法、共鳴体の材質、PA装置などを研究し、試行錯誤の末、徐々に繊細 な音楽を奏でるようになりました。この糸電話の演奏スタイルを“ストリングラフィ(STRINGRAPHY)”と名付け、現在では数人でアンサンブルを組 み、オリジナル曲から雅楽、クラシック、ポップス、現代音楽、童謡、民謡など、幅広いレパートリーを演奏するようになったのです。糸と紙コップというシン プルな素材ながら、演奏する曲目によって、琴、雅楽の笙、太鼓、チェロなど様々な音色が聞こえることに驚かれるでしょう。


 “ストリングラフィ”のもう一つの特徴は、コンサート会場全体に数百本(多いときは800本)もの糸を張り巡らせ、空間全体を大きな楽器に変貌させてし まうということです。(それぞれの糸の両端に紙コップが取り付けられていますから、多いときは1000個以上のスピーカーが設置されたのと同じ効果があり ます。)会場の特性を生かし、一回一回作り直される楽器には、一つとして同じものはありません。“ストリングラフィ”はその時、その場所でしか演奏するこ とのできない音楽なのです。一般のコンサートと違い、観客はその大きな楽器の内部に招かれ、四方から音のシャワーを浴び、あたかも楽器の一部となったかの ような、独特の音楽体験をすることでしょう。


 これまでに、アメリカ、ヨーロッパ、アジア各国などへの海外公演、また倉敷市立美術館、高知県立美術館、大阪市役所エントランスホールなど地方公演も多 数行っています。1996年にはISCM(国際現代音楽家協会)主催の“World Music Days’96”のインスタレーションの部に日本人として初めて入賞し、デンマークで作品発表を行い好評を博しました。劇場、美術館、フリースペースな ど、どんな場所でも糸を張り演奏をすることが可能です。演奏形態もコンサート形式から、トークを交えたライヴ形式、出入り自由の大道芸形式まで自由自在で す。ワークショップ、レクチャーなども多数行い、今後はさらに学校、病院、老人ホーム、多種の福祉施設など、様々な現場における幅広い活動を目指していま す。

 

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