HOMEKAZUE MIZUSHIMASTRINGRAPHYSTUDIO EVE

2000年 10,11月 栗東芸術文化会館さきら公演(滋賀県) 00/10/10〜13,11/8 6公演





延べ3000人以上の生徒さんが観に来て下さいました。
 
栗東町内の小学生の皆さん  
(5、6年生)
治田小学校 治田西小学校 治田東小学校  
葉山小学校 葉山東小学校 金勝小学校
大宝小学校 大宝西小学校
8校1264名
栗東町内の中学生の皆さん  
(1、2、3年生)
栗東中学校 栗東西中学校 葉山中学校  3校1805名

栗東の皆さん1 栗東の皆さん2



滋賀県栗東町で行なっている「子どもたちを育む芸術鑑賞事業」の一環として、町内の小学校高学年、中学生を対象にストリングラフィのコンサートを行なった。

栗東町は琵琶湖の南に位置する、人口約五万六千人の町である。
この「子どもたちを育む芸術鑑賞事業」は、町内の幼稚園、保育園、小学校、中学校の子どもたちを対象に、直接芸術に触れる機会を提供し、豊かな感性を育むことを目的として、平成7年度より行なわれているが、平成11年10月に、<栗東芸術文化会館さきら>がオープンし、より良い環境で鑑賞会が出来るようになった。
開催するにあたって、各学校の先生方による芸術鑑賞検討委員会を作り、子どもたちが、その年代に適した内容に触れられるように、また様々なジャンルに出会えるように計画、検討している。それを栗東町・教育委員会・財団がサポートすることにより、教育現場と文化・教育行政・芸術文化会館が連携を図って運営している。


−ストリングラフィ・コンサート−

◎一曲目−ビバルディの「春」

「なにぃー?!スゴイ!」
最初の曲を弾き始めた途端、子供たちからどよめきが沸き起こった。
舞台上には見たことのない楽器が張ってある。「これが楽器?」「どういう風に鳴らすのだろう?」「これで音が出るのか?曲が弾けるのか?」そんな気持ちから、「春」を弾く様を目の当りにして、驚きに変わる様子が伝わってきた。

◎実験コーナー

ストリングラフィの音の出る仕組みを確かめるために、客席内で生徒と共に実験をした。

楽器に使っているのと同じ絹糸と紙コップを用意し→

1.紙コップを付けないで糸だけを弾いて音が出るか?
  結果−とても小さいけど音がする
2.片側に紙コップをつけるとどうなるか?
  結果−うるさいくらい大きな音を出すことが出来る
→紙コップが糸の振動を増幅させるスピーカーの役割を果たして、大きな音が出る。


◎動きのある曲

「あんたがたどこさ」でフレーズ毎に回転しながら弾いたり、「ラブマシーン」で3人が一斉にジャンプしながら弾くシーンの反応が、他のコンサートより大きく、「おおっ?!」「うわっ回っとる!」「なんだ?!」「いやー跳んでる!」などという声が、舞台上にも聞こえてきた。

◎参加コーナー

生徒が、実際にストリングラフィに触って音を出す体験をした。
「誰もやりたがらなかったらどうしよう」という心配をよそに、触ってみたくてしょうがないという感じで、勢いよく手が挙がった。
最初は、客席内に張ったストリングラフィで、生徒達が「トトロの散歩」のリズムパートを弾き、演奏者と合奏し、すぐに音が出せるということを体感した。
次に、 舞台上で、生徒に一本の糸を弾き続けてもらい、奏者がその糸の色々な所を押さえることによって「きらきら星」のメロディーになるという、マジックのようなことをして、糸の長さによって音程が変わることを示した。

◎変わった音

「もののけ姫」や「ラブマシーン」の中で、絹糸と紙コップの代わりにワイヤーとプラスッチックコップなど、違う素材で作ったストリングラフィを効果音として使っていたことを説明し、身近にあるもの(ペットボトルや空缶など)で、色々な音色の楽器が作れることを紹介した。

◎「ラブマシーン」

どの回でも、「次は『ラブマシーン』を演奏します」と水嶋が言った途端、「うわーっ!」と場内がざわめき、ヒット曲の威力を感じた。そして、サビの部分になるとシーンと静まり返って、聴き入っているのがとても印象的だった。

この不思議な楽器でのコンサートを体験して、生徒たちはどのように感じたのだろうか?


   滋賀県栗東町治田西小学校5年生の皆さんの感想


原 さん
紙コップをスピーカーがわりにして こすり方を変えただけで 色々な音が聞けてと ても良かったです 。早いテンポでも 綺麗に音が出せてて すごいなぁーと思いました。 他にも手の動きがやわらかくてなめらかに動かせて もっとすごいなぁーと思いまし た。

服部くん
さきらに行って、こんなすてきな音色をきかして、くれてうれしいです。紙コップ1 コで、あんな音がちがうなんてビックリしました。あんな楽器があるなんて、はじめ てしりました。えーと名前はストリングラヒィーだったかな。でもとってもきれな、 音色でした。あんなので、ラブマシーン・もののけ姫がひけるなんて、すごかったで す。また、聞いて、みたいです。楽しい、音楽でした。

松永さん
はじめは、糸と紙コップがたくさんあって何をするのかな?と思いました。すると3 人の人が出てきて演奏している時、まるでカセットテープを聞いているみたいでし た。3人のいきが合ってすごく上手でした。身近な物でよくあんなきれいな音が出せ るなと思いました。また聞きたいです。


ストリングラフィには様々な側面があり、コンサートの間も、単に音楽を聴くだけではなく、実際に楽器を弾く体験をしたり、「音の出る仕組み」「音程の変化の仕組み」といった、理科や算数のような面で考えたり、弾いている姿がダンスのようで視覚的に音楽を観たり、楽器自体がオブジェのように見えたりと、人によって色々なアプローチで楽しむ事が出来る。だからこそ、子供たち一人一人の自由な発想や興味を促し、豊かな個性を育むことに役立つのではないかと感じた。


<栗東芸術文化会館さきら>は町立の施設であるが、設備、スタッフ共に細やかに行き届いていて、こういう環境で子供たちが芸術に触れるのはとても良いことだと思った。また、こういう素晴らしい所で演奏することが出来て、メンバー一同とても嬉しく思っている。

(記: 篠原 元子)




  

HOMEKAZUE MIZUSHIMASTRINGRAPHYSTUDIO EVE