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東京経済大学レクチャー& コンサート(2005年04月)




2005年04月22日(金)

於:東京経済大学

レクチャー:水嶋一江

演奏:水嶋一江、篠原元子、向山峰子



4月22日、東京経済大学メディア工房スタジオで、コミュニケーション学部コミュニケーション学科(粉川哲夫教授、学生約30名)の学生を対象としたレクチャー&コンサート(3時間)を行なった。

ストリングラフィの特徴は、空間全体を楽器にして演奏するということだ。今回は3時間という比較的長い時間の流れを通じて、楽器の設置から演奏・撤収までの流れを大学生の皆さんに観てもらうことにした。

まず篠原・向山2名によるセッティング風景をバックに、水嶋がレクチャーを行なう。どのようにしてストリングラフィという新しい楽器とその公演システムを構築してきたのか、また演奏を通じて老人施設・保育施設など、広く社会と繋がりを持った活動も行なっていることなどを話した。コミュニケーション学部の学生の中には、何か社会の役に立つ仕事に就きたいが、まだ具体的な方法を見出せずにいるという人もいて、興味を持ってくれたようだ。

次に全員参加による糸電話を使った伝達ゲームを行なった。言葉や文章を伝達していくうちに、聞き間違いなどによって変化が起こるという有名な伝達ゲームを、糸電話というハンディを課してやってみたのだ。約10人ずつの3チームに分かれたが、とてもスムーズに伝わる組と、一人伝わるごとに変化が加わるポエティック?なグループ等、それぞれの個性が表れて大笑いだった。







休憩をはさんでいよいよストリングラフィのコンサートを聴いてもらう。(春、大きな古時計、ハイサイおじさん、アイネクライネナハトムジーク)。学生参加コーナーも何曲か用意した。糸をはじいて演奏するリズム表現には全員に挑戦してもらった。2つのグループに分かれてちょっと難しいリズムを掛け合い、沖縄の曲「ハイサイおじさん」に合わせて演奏した。さすが大学生ともなると、私たちの演奏するメロディを聴いて合わせる余裕もあり、ノリのよいコラボレーションになった。教室中が楽器になって鳴り響く感覚を全員が体験できたのではないだろうか。

次は「弦の長さで音程が決まる」という理論を使った手品のような演奏にチャレンジ。一本の糸を学生一人に弾き続けてもらい、同じ糸のいろいろなポイントを篠原が押さえて「キラキラ星」のメロディを作り出す、というストリングラフィ・コンサートではおなじみのコーナーだ。学生の中にはバンドでギターやベースを演奏している人もいて、他の楽器と比較しながら納得していたようだ。

最後は大学ならではの企画。ソプラノ・アルト・ベースに一人ずつ参加者を募り、「カエルの歌」の3重唱を輪唱で演奏してもらった。きれいな音を出すのは結構難しいのだが、3人ともリラックスして楽しく演奏してくれた。

ここで再び全員参加のゲームコーナー。最近コンサートで取り入れている「ストリンビクス体操」だが、今回はコミュニケーションをテーマにバリエーションを加え、ペアを組んで視線を交わしながら動いてもらった。これまでのゲームや演奏参加で気持ちも身体もほぐれていたようで、皆さん積極的に参加してくれた。

最後に篠原・向山による楽器撤収風景をバックに学生1人ずつに感想を発表してもらった。全員が自分の言葉で考えを述べてくださり、感動的だった。この講座では20歳前後の若者たちのストリングラフィへの反応をじかに聞く事が出来て、私たちにとっても参考になる体験だった。



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